学校付近で偶然遭遇した友人が熱を入れて語るマジックレアリズムとロシアフォルマリズムに関する話を適当な相槌で聞き流しながら時速400キロくらいで家路を急いだ。帰りに本屋に寄ろうと思ったのだがふとかばんの中を見ると二日前に買った数冊の本がそのまま購入店の袋だけ取り去られた状態で入っているというつまりは店頭に並んでいるままの状態で存在していたためにこんなものが入ったかばんで本屋に入ったら生来の不審人物っぷりから当然のように挙動不審になってしまって私服の万引きGメンに目をつけられふと目を合わすととたんに伏目がちになってこれは確定だなとGメンが屈強な体を揺らし足早に俺のところまでやってきて耳打ちするように言うわけです。まだ清算がお済でありませんよとかそんなこと言われてもそりゃしてないよなぜならここで買ったものではないので!というも聞き届けられるわけもなく両肩を引きずられながら事務所の中に消えてゆくのでした。そして屈強な男たちによって傷物にされ泣きながら本屋を立ち去ることでしょう、ということになるといけないのでそのまままっすぐ家に帰った。気づいてよかった。