『The S.O.U.P.』(川端裕人)asin:4043748019

ハッカーの主人公が昔作ったネットワークゲームを通じてクラッカー集団と戦ったりする小説。ネットゲーやインターネットを題材にしているんだけど、読んでいると非常にサイバーパンク小説を読んでいるような、肉体との接触が掻き消えていくような不思議な感覚になってくる。
読んで思ったこと。結局は繋がっていること/繋がっていないこと、が一番重要でそれがすべてになっているのだと思う。現実の世界とネットの世界が別のもの、なんていう考えをしてしまうことは危険だけれど、現実世界では重要な、そこにいる/いない、生きている/生きていない、などのすべてのことよりもネットの世界では繋がっているか繋がっていないかが重要なんだと思う。ネットの世界に残したテキストファイルやhtmlファイルはそこに繋がっていさえすればそれを書いた人がどうなっていようと繋がって残っているわけだし、そのファイルがある鯖が繋がらなくなれば消えてしまうし。この小説内では「終わる世界」のことが少しだけ触れられるのだけれど、あのサイトは僕は保存されたものしか読んだことがないけれどあの日記を書いた人間はもういない(創作かもしれないけれど)けど今でも保存されたものを探せばhttp://www.nurs.or.jp/~nspixp/zedoc/mirror/などで読むことができるし。
まとまらなくなってきた。けど、mixiに中毒になってしまうような人が出たり、携帯メールで同報でなんでもないことを書いて送ったりしてコミュニケーションをとるのは、繋がっている/繋がっていないということ以外では何もはかることができないからなんだろうか。